最近、糖尿病治療の歴史が大きく変わろうとしています。
これまで糖尿病の治療薬(内服薬)としては
の3通りだけでした。
これらの効き目が十分でなければインスリン療法(注射薬)に移行していたわけですが、昨年12月にインクレチン関連薬のジャヌビアという薬が発売になりました。
このジャヌビアという薬は、低血糖を起こしにくく、体重増加が起こらないことが特徴です。食事の影響を受けないので、1日1回の投与でいつでも服用ができるという患者様にとっては大変お付き合いしやすい薬となっています。
GLP-1などのインクレチン(インスリン分泌を促すホルモン)は「DDP-4」という酵素で分解されてしまいます。このDDP-4の活性を阻害して、インクレチンの量を増やしてインスリンを少しでも多く出させる薬です。
当院でもすでに15名程の方に投薬しましたが、大変満足できる結果でした。その結果から、糖尿病と診断されたら一番に使う薬だと考えています。またこれまで糖尿病と診断されても治療開始を躊躇していた方こそ、この薬を早めに開始して手遅れにならないようにすべきだと考えます。
このインクレチン関連薬として、今年7月ごろにはビクトーザという注射薬も発売されます。そのほかにも糖尿病の新しい薬がこの1~2年の間に多数出てくると思われますので、糖尿病の方は楽しみにしておいてください。