まず肝機能データのうち皆様がよく気にされる部分の正常値を示します
- AST(GOT):8~38 IU/L
- ALT(GPT):4~44 IU/L
- γ-GTP:18~66 IU/L
GOTやGPTが増えるのは、肝臓に障害が起きて細胞が壊れた場合で、肝炎や肝硬変、肝がんなどが推定できます
AST(GOT)だけが増える場合
AST(GOT)とALT(GPT)がともに増える場合
- 急性肝炎ではGOT、GPTとも非常に増えます
- 慢性肝炎、脂肪肝ではGPTがGOTより多く増えます
- 肝硬変、肝臓がんではGOTがGPTより多く増えます
γ-GTPが増えるのは肝臓が悪い場合で、特にアルコール性肝障害の時に増えます。
γ-GTPが軽度に増える場合
γ-GTPが高度に増える場合
- 重度のアルコール性肝障害、急性肝炎、薬剤性肝炎など
肝機能異常についてちょっと紹介しましたが、肝臓は人間の体の中でとても肝心な臓器です。肝機能障害を放置しないで、早めに治療を行い、手遅れにならないようにしましょう。手遅れという意味合いは、一旦肝硬変になってしまったらもう後戻りできません。慢性肝炎までの段階で治療することが一番大切です。そのために今現在、肝炎ウイルス撲滅作戦を国全体で行っているというわけです。肝炎ウイルスに対するインターフェロン療法については別のコラムをみてください。
平成22年6月1日