脳神経外科コラム9(脳梗塞に対するTPA療法について)
近年、脳梗塞に対してTPA療法が普及してきました。皆さんも新聞やテレビでお聞きになったことがあると思います。TPA(Tissue plasminogen activator:組織プラスミノーゲン活性化因子)とは脳梗塞の原因である血栓(血のかたまり)を溶かすお薬で、脳梗塞発症3時間以内に投与開始すれば有効であるといわれています。当院でも平成19年から治療を開始し、本年上半期には5例の脳梗塞症例にTPA療法を行いました。そのうち著効3例、改善が1例、改善なしが1例でした。1名は独歩退院され、2名は急性期病棟にて加療中で、2名は回復期リハビリテーション病棟で懸命にリハビリをされておられます。TPA療法は脳梗塞に対して有効な治療法ですので、引き続き適応のある症例には積極的に行っていきたいと考えています。
平成22年7月9日