今年10月に福岡市で開催されました第69回日本脳神経外科学会総会において、ケアミックス型病院におけるくも膜下出血の診療経験 ― 地域医療におけるケアミックス型病院を再考する ― という演題を発表いたしました。
ケアミックス型病院とは急性期の治療を行う病棟だけでなく、リハビリテーションを専門に行う病棟や療養するための病棟も備えている病院のことです。当院では急性期の治療が終わったあとも、入院時の主治医がリハビリテーション病棟や療養病棟でも、引き続き主治医となって治療を続ける体制をとっております。今回我々はくも膜下出血(主に脳動脈瘤の破裂)の診療を通して地域医療におけるケアミックス型病院の重要性を発表しました。脳卒中などの脳神経外科の病気に対する治療はリハビリテーションも非常に重要で、医療機関の機能分化が進む現在、医療スタッフが不足している地方ではケアミックス型病院という形態によって、急性期治療やリハビリテーション機能を集約化することは有用なことで、主治医が引き続き治療を行うことは主治医が常に患者様の経過を詳しく把握しているという利点があります。これらのことは患者様にとって非常に良いことであると考えられ、我々は今回発表いたしました。